Trend Micro Security

BKDR_KULUOZ.VLU

2014年5月9日
 解析者: Francis Xavier Antazo   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、メッセージサービス「Viber」を装ったスパムメールに記載されたURLからダウンロードされます。このURLをクリックすると、不正プログラムが作成されるかわりに、ランダムな URL や検索エンジンサイト、もしくは公式のアプリストアなど、ユーザはさまざまな Webサイトに誘導されます。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 159,744 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年11月10日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされコンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}hosting.biz.ht/object.php?vib=61+pbq2ZRacFdllkhKRYLw

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %AppDataLocal%\{random file name}.exe

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • svchost.exe

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • created svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%AppDataLocal%\{random file name}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random}
{random} = "{hex values}"

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Sleep/Idle
  • Download and execute arbitrary file
  • Uninstall itself
  • Download module and inject to svchost.exe
  • Update itself
  • Check latest malware version
  • Manage registry

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.182.152:8080/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.126.139:443/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.21.210:443/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.239.167:8080/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.138.62:8080/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.84.84:8080/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.105.170:8080/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.189.52:8080/index.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.147.192:8080/index.php

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Malware version
  • Virtualization information
  • Running debugger/forensic tools
  • User name
  • Local IP address
  • Processor type
  • OS version
  • Antivirus product
  • Firewall product

<補足>
インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %AppDataLocal%\{ランダムなファイル名}.exe

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • スリープ/アイドル
  • 任意のファイルのダウンロードおよび実行
  • 自身のアンインストール
  • モジュールをダウンロードしてsvchost.exeに挿入
  • 自身の更新
  • 最新版のマルウェアの確認
  • レジストリの管理

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • マルウェアのバージョン
  • 仮想化の情報
  • 実行中のデバッガ/フォレンジックツール
  • ユーザ名
  • ローカルIPアドレス
  • プロセッサのタイプ
  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン
  • ウイルス対策製品
  • ファイアウォール製品

注意:

マルウェアは、以下の名前を持つ実行中のウィンドウを確認します。

  • 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2
  • 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2-x32
  • 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2-x64
  • APISpy32Class
  • Dumper
  • Dumper64
  • iptools.exe
  • Iris - Version 5.59
  • prl_cc.exe
  • prl_tools.exe
  • ProcessHacker
  • ProcessLasso_Notification_Class
  • PROCEXPL
  • PROCMON_WINDOW_CLASS
  • SharedIntApp.exe
  • Tfrmrpcap
  • TSystemExplorerTrayForm.UnicodeClass
  • VBoxService.exe
  • VBoxTray.exe
  • vmsrvc.exe
  • vmtoolsd.exe
  • vmusrvc.exe
  • VMwareDragDetWndClass
  • VMwareSwitchUserControlClass
  • WdcWindow
  • wireshark.exe

マルウェアは、仮想化中の場合、Service DiskまたはBIOSで以下のレジストリ情報を確認します。

  • AMIBI
  • PRLS
  • PTLTD
  • Vbox
  • Virtual
  • VMware


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
VSAPI OPR パターンバージョン 11.272.02
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年11月12日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random} = "%AppDataLocal%\{random file name}.exe"

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_KULUOZ.VLU」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 6

インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\{random}


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください