BKDR_KULUOZ.SMAL

2014年4月21日
 解析者: Sabrina Lei Sioting   

 別名:

TrojanDownloader:Win32/Kuluoz.D (Microsoft); BackDoor-FBYV!ABF06238284D (McAfee), Win32/TrojanDownloader.Zortob.B (Eset)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Eメールを介したスパム活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、韓国の旅客船沈没事故を題材にした、ソーシャルエンジニアリングを用いた不正なスパムメールに添付されています。2014年4月に確認されたこのマルウェアは、不正リモートユーザからコマンドを受信して実行することが確認されています。このマルウェアに感染したコンピュータのユーザは、コンピュータ改ざんの被害を受ける可能性があります。

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 234,496 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年4月17日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\{random}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • svchost.exe

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 2GVWNQJz1

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • created svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%Application Data%\{random}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random}
{random} = "{hex values}"

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random}

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Set system to idle/sleep
  • Download and run/execute other files
  • Remove/Uninstall itself
  • Update copy of the injected code to svchost.exe
  • Update copy of itself
  • Check malware version and terminate execution of older version

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}3.27:443/{generated value}
  • http://{BLOCKED}5.89:8080/{generated value}
  • http://{BLOCKED}.58/{generated value}

その他

マルウェアが実行するコマンドは、以下のとおりです。

  • コンピュータをアイドル/スリープに設定
  • 他のファイルのダウンロードおよび実行
  • 自身の削除/アンインストール
  • "svchost.exe"に挿入されたコードのコピーの更新
  • 自身のコピーの更新
  • マルウェアのバージョンを確認し、古いバージョンの実行を終了

マルウェアは、以下の名前を持つ実行中ウィンドウが存在するか確認します。

  • 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2
  • 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2-x32
  • 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2-x64
  • APISpy32Class
  • Dumper
  • Dumper64
  • Iris - Version 5.59
  • PROCEXPL
  • PROCMON_WINDOW_CLASS
  • ProcessHacker
  • ProcessLasso_Notification_Class
  • SharedIntApp.exe
  • TSystemExplorerTrayForm.UnicodeClass
  • Tfrmrpcap
  • VBoxService.exe
  • VBoxTray.exe
  • VMwareDragDetWndClass
  • VMwareSwitchUserControlClass
  • WdcWindow
  • iptools.exe
  • prl_cc.exe
  • prl_tools.exe
  • vmsrvc.exe
  • vmtoolsd.exe
  • vmusrvc.exe
  • wireshark.exe

「{generated value}」は、ユーザ名、ローカルIP、実行中のデバッガ、マルウェアのビルド日およびバージョンに基づく値です。

マルウェアは、仮想環境で実行されている場合、以下のレジストリ情報を取得するため、Service DiskやBIOSを確認します。

  • VMware
  • PTLTD
  • Virtual
  • VBOX
  • AMIBI


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
VSAPI OPR パターンバージョン 10.733.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年4月17日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_KULUOZ.SMAL」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random} = "%Application Data%\{random}.exe"

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_KULUOZ.SMAL」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:

このマルウェアがインストールの過程で追加する以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random}

そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することでこのマルウェアによって追加された{random}を確認することが可能となります。なお、追加されたキー「{random}」は、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください