BKDR_KULUOZ.ED
2014年6月10日
解析者: Mark Joseph Manahan

- マルウェアタイプ: バックドア型
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化:
- 感染報告の有無: はい
トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
このマルウェアが添付されるスパムメールの内容は、小包が地元の郵便局に到着し、それを受け取るために出荷ラベルを印刷することをユーザに促すというものです。メール内で出荷ラベルを印刷するリンクを表示しますが、実際は不正なリンクとなっており、ユーザは「BKDR_KULUOZ.ED」として検出される不正プログラムをダウンロードすることになります。
マルウェアは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。
マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
マルウェアは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。
侵入方法
マルウェアは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。
- %Application Data%\{random}.exe
(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)
マルウェアは、以下のプロセスを追加します。
マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。
マルウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random} = "%Application Data%\{random}.exe"
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\{random}
マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\{random}
{random} = "{hex values}"
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。
- idl - sleep/idle
- run - download and execute arbitrary file
- rem - uninstall itself
- rdl - update copy of injected code in svchost and add encrypted code to registry
- upd - update copy of main malware
- red - edit registry
マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。
- http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.66:443
情報漏えい
マルウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。
- Malware Version
- Virtualization Information
- Running Debugger/Forensic Tools
- User name
- Processor type
- OS version
- Antivirus product
- Firewall product
<補足>
バックドア活動
マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します
- idl - スリープ/アイドル
- run - 任意のファイルのダウンロートおよび実行
- rem - 自身のアンインストール
- rdl - svchost内の挿入されたコードのコピーの更新および暗号化されたコードをレジストリへ追加
- upd - メインのマルウェアのコピーの更新
- red - レジストリの編集
情報漏えい
マルウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。
- マルウェアのバージョン
- 仮想化の情報
- 実行中のデバッカ/フォレンジックツール
- ユーザ名
- プロセッサのタイプ
- オペレーティングシステム(OS)のバージョン
- セキュリティ製品
- ファイアウォール製品
マルウェアは、以下の名前を持つ実行中のウィンドウを確認します。
- wireshark.exe
- Tfrmrpcap
- iptools.exe
- Iris - Version 5.59
- ProcessLasso_Notification_Class
- TSystemExplorerTrayForm.UnicodeClass
- PROCMON_WINDOW_CLASS
- PROCEXPL
- WdcWindow
- ProcessHacker
- 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2-x64
- 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2-x32
- 99929D61-1338-48B1-9433-D42A1D94F0D2
- Dumper
- Dumper64
- APISpy32Class
- VMwareDragDetWndClass
- VMwareSwitchUserControlClass
- vmtoolsd.exe
- prl_cc.exe
- prl_tools.exe
- SharedIntApp.exe
- VBoxTray.exe
- VBoxService.exe
- vmusrvc.exe
- vmsrvc.exe
マルウェアは、Service DiskまたはBIOSのレジストリが仮想環境下にあるかを確認します。
- VMWare
- PTLTD
- Virtual
- PRLS
- Vbox
- AMIBI
マルウェアは、以下のレジストリキーが存在しているかを確認します。
- SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\PCI\VEN_15AD&DEV_0774&SUBSYS_040515AD&REV_00
- SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\PCI\VEN_15AD&DEV_0774&SUBSYS_074015AD&REV_00
- SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\PCI\VEN_80EE&DEV_CAFE&SUBSYS_00000000&REV_00
- SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\PCI\VEN_5333&DEV_8811&SUBSYS_00000000&REV_00
- SYSTEM\CurrentControlSet\Enum\PCI\VEN_80EE&DEV_BEEF&SUBSYS_00000000&REV_00
- HARDWARE\ACPI\DSDT\PTLTD__
- HARDWARE\ACPI\DSDT\VBOX__
- HARDWARE\ACPI\DSDT\AMIBI
手順 1
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 2
このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「BKDR_KULUOZ.ED」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
手順 3
Windowsをセーフモードで再起動します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
セーフモードでの起動:
• Windows 2000 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows XP の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows Server 2003 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「Windows 拡張オプション メニュー」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows Vista、Windows 7 および Windows Server 2008 の場合:
- コンピュータを起動させます。
- 「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に[F8]を押します。
- 「詳細ブート オプション」が表示されるので、[↓][↑]キーを使って[セーフモード]を選択し、[Enter]を押します。
• Windows 8、8.1 および Server 2012の場合:
- 画面の右上隅へマウスポインタを移動し、[チャーム]バーを表示します。
- マウスで、[設定]-[PC設定の変更]を選択します。
- 左側のパネルで、[全般]を選択します。
- 右側のパネルで、[PCの起動をカスタマイズする]が表示されるまで下にスクロールし、[今すぐ再起動]をクリック。コンピュータが再起動するまで待ちます。
- [オプションの選択]メニューで、[トラブルシューティング]-[詳細オプション]-[スタートアップ設定]-[再起動]をクリックします。
- [スタートアップ設定]メニューで、[4]キーを押し、「4)セーフモードを有効にする」を選択します。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
[ 詳細 ]
[ 戻る ]
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {random} = "%Application Data%\{random}.exe"
このマルウェアが追加したレジストリ値の削除:
- 「レジストリエディタ」を起動します。
- Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
[スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、regedit と入力し、Enter を押します。 - Windows Vista、7、Server 2008 の場合:
[スタート]をクリックし、検索入力欄に regedit と入力し、Enter を押します。 - Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
画面の左下隅を右クリックし、[ファイル名を指定して実行]を選択します。入力ボックスに regedit と入力し、Enter を押します。
※regedit は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
RESTORE
「レジストリエディタ」を閉じます。 手順 5
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「BKDR_KULUOZ.ED」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
手順 6
インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。
- In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE
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