WORM_SOHAND.SM

2014年3月7日
 更新者 : Sabrina Lei Sioting

 別名:

Worm:Win32/Tupym.A (Microsoft), Worm.Win32.AutoRun.fnc (Kaspersky), Win32/Autoit.EB (Eset), W32/AutoRun-BUC (Sophos), W32.Imaut (Symantec)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003, Windows Vista, Windows 7

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成, インスタントメッセンジャ(IM)を介した感染活動

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。 ワームは、感染ネットワーク共有フォルダを介して、コンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。 ワームは、既定のWindowsフォルダのアイコンを用いて、ユーザにファイルを開くよう促します。ユーザがファイルをダブルクリックすることで、このワームは実行されます。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。


  詳細

ファイルサイズ 836,165 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年5月29日
ペイロード ファイルのダウンロード, プロセスの強制終了

侵入方法

ワームは、感染リムーバブルドライブを接続することにより、コンピュータに侵入します。

ワームは、感染ネットワーク共有フォルダを介して、コンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • {install directory}\system3_.exe

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • {install directory}\autorun.ini - copy of autorun.inf

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

ワームは、既定のWindowsフォルダのアイコンを用いて、ユーザにファイルを開くよう促します。ユーザがファイルをダブルクリックすることで、このワームは実行されます。

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Yahoo Messengger = {install directory}\system3_.exe"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Shell = "Explorer.exe system3_.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「Explorer.exe」となります。)

この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間ごとにワームが実行されます。

  • 9:00 AM

他のシステム変更

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
WorkgroupCrawler\Shares
shared = "\New Folder.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\Schedule
AtTaskMaxHours = "0"

ワームは、インストールの過程で以下のレジストリキーまたはレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Start Page = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com "

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Default_Page_URL = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com "

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Default_Search_URL = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com "

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default search page}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Search Page = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com "

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default}」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
Start Page = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com "

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{default}」となります。)

感染活動

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内でフォルダを検索し、検索したフォルダ内に "<フォルダ名>.EXE" として自身のコピーを作成します。

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • New Folder.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[Autorun]
Open=system3_.exe
Shellexecute=system3_.exe
Shell\Open\command=system3_.exe
Shell=Open

ワームは、以下のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて、メッセージを送信します。このメッセージにはリンクが含まれており、リンク先のリモートサイトには、自身のコピーが組み込まれています。

  • Yahoo Messenger
  • Google Talk

プロセスの終了

ワームは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • game_y.exe
  • cmd.exe

ダウンロード活動

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}ay.com/asdb{1-50}/setting.ini
  • http://{BLOCKED}u{1-25}.0catch.com/set/setting.ini

ワームは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • {install directory}\setting.ini

その他

実行されると、ワームは、感染コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の種類を確認します。OSの種類がWindows Vistaの場合、ワームは、上記の "{install directory}" を "C:\Desktop" または "%User Temp%" に設定します。

Windows Vista以外の場合、ワームは、上記の "{install directory}" を "%System%" または "%Windows%" に設定します。

ワームは、以下のレジストリからの値を確認することで共有ドライブを列挙します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\WorkgroupCrawler\Shares

ワームは、以下のように共有ドライブ内に自身のコピーを作成します。

  • New Folder.exe

ワームは、上記のコピーに対応する "AUTORUN.INF" を作成し、自身のコピーを自動実行します。

ワームは、以下のウィンドウ名を持つアプリケーションのプロセスを終了します。

  • [FireLion]
  • Bkav2006
  • Registry
  • System Configuration
  • Windows Task


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 7.206.12
初回 VSAPI パターンリリース日 2010年5月29日
VSAPI OPR パターンバージョン 7.207.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2010年5月30日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「WORM_SOHAND.SM」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Yahoo Messengger = "C:\WINDOWS\system32\system3_.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\WorkgroupCrawler\Shares
    • shared = "\New Folder.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\Schedule
    • AtTaskMaxHours = "0"

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Shell = "Explorer.exe system3_.exe"
      To: Shell = "Explorer.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Start Page = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com"
      To: Start Page = {default}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Default_Page_URL = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com"
      To: Default_Page_URL = {default}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Default_Search_URL = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com"
      To: Default_Search_URL = {default search page}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Search Page = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com"
      To: Search Page = {default}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • From: Start Page = "http://www.{BLOCKED}mworld.50webs.com "
      To: Start Page = {default}

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 {install directory}\autorun.ini

手順 6

追加されたジョブファイルの削除:

  1. [スタート]-[すべてのプログラム]-[アクセサリ]-[システム ツール]-[タスク]をクリックします。
  2. ジョブファイルをダブルクリックします。
  3. タブ[タスク]の「実行するファイル名」欄に、<不正プログラムのパス名およびファイル名>があるかどうか確認します。
  4. 確認された場合、該当するジョブファイルを削除します。
  5. 同様に、残りのジョブファイルを確認し、確認された場合、削除します。

手順 7

「WORM_SOHAND.SM」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
  • [Autorun]
  • Open=system3_.exe
  • Shellexecute=system3_.exe
  • Shell\Open\command=system3_.exe
  • Shell=Open

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_SOHAND.SM」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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