W97M_CRIGENT.A

2014年3月27日
 解析者: Alvin John Nieto   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成, ファイルに感染

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、感染したMicrosoft Word または Microsoft Excel文書としてコンピュータに侵入します。マルウェアは、「Windows PowerShell」を利用し、不正活動を実行します。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ DOC
メモリ常駐 はい
発見日 2014年3月20日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %ApplicationData%\{GUID}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID} = "wscript.exe %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.vbs"

バックドア活動

マルウェアは、以下のポートを開きます。

  • 8123 - Used for Web Proxy (Polipo)
  • 9050 - Used for traffic encryption (TOR)

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}jqj42hu.onion/get.php?s=setinfo&uid={GUID}
  • http://{BLOCKED}ormjqj42hu.onion/get.php?s=setup&uid={GUID}

マルウェアは、コマンド&コントロール(C&C)サーバに以下の情報を通知します。

  • IP Address
  • Country code
  • Country name
  • Region code
  • Region name
  • City
  • Zipcode
  • Latitude
  • User account privilege
  • OS version
  • OS architecture
  • Domain
  • OS Language
  • Microsoft Office applications
  • Microsoft Office application versions

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身のコンポーネントファイルをダウンロードします。

  • http://i.{BLOCKED}n.de/
  • http://gg.{BLOCKED}z.cc/

マルウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.zip - contains 'tor.exe' and 'polipo.exe'
  • %ApplicationData%\{GUID}\tor.exe
  • %ApplicationData%\{GUID}\polipo.exe
  • %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.vbs - C&C generated file

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://freegeoip.net/json/

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %ApplicationData%\{GUID}\roaminglog - TOR initialization log

マルウェアが開く以下のポートは、Webプロキシ(Polipo)のために利用されます。

  • 8123

マルウェアが開く以下のポートは、トラフィックの暗号化(TOR)に利用されます。

  • 9050

マルウェアがコマンド&コントロール(C&C)サーバに通知する情報は以下のとおりです。

  • IPアドレス
  • 国コード
  • 国名
  • 地域コード
  • 地域名
  • 郵便番号
  • 緯度
  • ユーザアカウント権限
  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン
  • OSのアーキテクチャ
  • ドメイン
  • OSの言語
  • Microsoft Officeのアプリケーション
  • Microsoft Officeのアプリケーションのバージョン

マルウェアが、ダウンロードして保存する以下のファイルには、'tor.exe'および'polipo.exe'が含まれています。

  • %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.zip

マルウェアが、ダウンロードして保存する以下のファイルは、C&Cが生成したファイルです。

  • %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.vbs

マルウェアが作成する以下のファイルは、TORの初期化ログです。

  • %ApplicationData%\{GUID}\roaminglog

マルウェアは、完全な実行のためにアプリケーション「Windows PowerShell」を要求します。

マルウェアは、コマンド&コントロール(C&C)サーバから感染活動のルーチンを取得し、以下の拡張子を持つファイルに感染します。

  • *.doc
  • *.docx
  • *.xls
  • *.xlsx

マルウェアは、"*.docx"のファイルのコピーを"*.doc"のフォーマットで、また、"*.xlsx"のファイルのコピーを"*.xls"のフォーマットで同じディレクトリの下に保存します。そして、オリジナルのファイルを削除します。

マルウェアは、以下のアプリケーションのセキュリティ設定を下げます。

  • Microsoft Office Word
  • Microsoft Office Excel


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
VSAPI OPR パターンバージョン 10.693.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年3月29日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID} = "wscript.exe %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.vbs"

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.zip
  • %ApplicationData%\{GUID}\tor.exe
  • %ApplicationData%\{GUID}\polipo.exe
  • %ApplicationData%\{GUID}\roaminglog
  • %ApplicationData%\{GUID}\{GUID}.vbs

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「W97M_CRIGENT.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「W97M_CRIGENT.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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