TSPY_ZBOT.ADXK

2014年3月3日
 解析者: Ardin Christopher Maglalang   

 別名:

Troj/Zbot-HKR(Sophos), Trojan-Spy.Win32.Zbot.rexa(Kaspersky), Trojan:Win32/CoinMiner.T(Microsoft), Win32/Spy.Zbot.AAU(Eset)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、Windows のアドレス帳(WABファイル)からEメールアドレスを収集します。

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 423,424 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年1月11日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • TROJ_UPATRE.SMAI

スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • https://{BLOCKED}headnails.com/wp-content/uploads/2011/10/pdf.exe

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{Random Folder}\{Random Filename}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\Address Book\{Username}.wab

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{Random Folder}
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • All User Processes

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware Filename} = "%Application Data%\{Random Folder}\{Random Filename}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{Random Key}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4\Wab File Name

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Account Manager

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{Random Key}
{Random} = "{Random Value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
OlkContactRefresh = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
OlkFolderRefresh = "0"

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
6967:UDP = "6967:UDP:*:Enabled:UDP 6967"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
8628:TCP = "8628:TCP:*:Enabled:TCP 8628"

情報漏えい

スパイウェアは、WABからEメールアドレスを収集します。

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.google.com/
  • http://www.bing.com/

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。

スパイウェアは、以下の Mutexの名称を利用します。

  • Local\{GUID}
  • Global\{GUID}

スパイウェアは、すべてのシステムプロセスにコードを組み込むのを避けます。

スパイウェアは、ランダムに生成されたIPアドレスにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。スパイウェアがダウンロードする環境設定ファイルには、スパイウェアが自身のコピーの更新版ファイルをダウンロードしてくるURLや収集した情報を送信するURLが含まれている可能性があります。また、この環境設定ファイルには、スパイウェアが情報収集をする対象となるオンライン銀行や金融関連のWebサイトのURLも含まれていることが考えられます。

スパイウェアは、実行中のプロセスに以下の文字列を確認すると、情報を収集します。

  • bancline
  • bankman
  • cruisenet
  • dirclt32.exe
  • episys
  • fastdoc
  • fdmaster.exe
  • fidelity
  • gplusmain
  • jack henry
  • launchpadshell.exe
  • micrsolv
  • pcsws.exe
  • prologue.exe
  • silverlake
  • tellerplus
  • v48d0250s1
  • vantiv
  • wtng.exe

スパイウェアがコードを組み込むプロセスは以下のとおりです。

  • すべてのユーザプロセス


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.630.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年1月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.631.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年2月26日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TSPY_ZBOT.ADXK」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.ADXK」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

不明なレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Malware Filename} = "%Application Data%\{Random Folder}\{Random Filename}.exe"

手順 6

不明なレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • WAB
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • Internet Account Manager

手順 7

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 6967:UDP = "6967:UDP:*:Enabled:UDP 6967"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 8628:TCP = "8628:TCP:*:Enabled:TCP 8628"

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{Random Folder}
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.ADXK」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.ADXK」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 11

インストールの過程で追加された以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することで追加されたレジストリキーを確認することが可能となります。なお、追加されたレジストリキーは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{Random Key}


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