ZEUS

2015年6月24日

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Eメールを介したスパム活動, 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

ZBOT」の亜種は、不正なWebサイトからユーザが誤ってダウンロードするか、他のマルウェアによって作成されることにより、ユーザのコンピュータに侵入します。また「ZBOT」は、スパムメールを介してコンピュータに侵入する場合もあります。

この亜種は、リモートサイトにアクセスし、環境設定ファイルをダウンロードし、対象とするWebサイトを決定します。また「ZBOT」は、ルートキット機能も備えています。インストールされると、「ZBOT」はフォルダを作成し、その属性をシステムフォルダおよび隠しフォルダに設定します。これにより、自身のコンポーネントの検出および削除を回避します。

「ZBOT」ファミリは、情報収集活動に利用されます。まず攻撃のきっかけとして、ユーザによるWebサイトの閲覧活動を監視します。これは、ブラウザのウィンドウのタイトルバーやアドレスバーのURLを利用して行われます。そして「ZBOT」は、正規の銀行のWebサイトにJavaScriptのコードを挿入し、HTTP POSTを介してリモートのWebサイトに収集した情報を送信します。こうしてサイバー犯罪者は、被害者から直接金銭を収集するか、収集した情報をアンダーグラウンド市場で販売することにより収集した情報を不正活動に利用します。

「ZBOT」の亜種は、Windowsファイアウォール機能を無効にし、自身をプロセスに組み込むことでメモリに常駐する機能を備えています。また、コンピュータ上にファイアウォールのプロセスを確認した場合、自身を終了します。さらに、レジストリ値を追加することで、コンピュータが起動するたびに自身を自動実行します。

前述のとおり、「ZBOT」の亜種は、データ収集やアカウント情報を収集するために設計されています。収集されるアカウント情報は、オンライン銀行、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や電子商取引(eコマース)のような、さまざまなWebサイトのアカウント情報です。


  詳細

タイプ EXE
メモリ常駐 はい
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System Root%\Recycle.Bin\Recycle.Bin.exe
  • %System Root%\Recycle.Bin\config.bin
  • {malware folder}\mxwqp.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\sdra64.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\VMware
  • %System Root%\Recycle.Bin

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。.. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
userinit = "%System%\userinit.exe, %System%\sdra64.exe,"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%System%\userinit.exe,」となります。)

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のファイルを削除します。

  • %System%\sdra64.exe
  • %Windows%\SoftwareDistribution\DataStore\Logs\edbtmp.log

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft Windows

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{3446AF26-B8D7-199B-4CFC-6FD764CA5C9F}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{43BF8CD1-C5D5-2230-7BB2-98F22C2B7DC6}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{4776C4DC-E894-7C06-2148-5D73CEF5F905

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{5ECCBACD-C6EF-355D-5A40-82CE4647642B}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
opera.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
navigator.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
safari.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
chrome.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
userinit.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
wiyuwieetq

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{43BF8CD1-C5D5-2230-7BB2-98F22C2B7DC6}
{3039636B-5F3D-6C64-6675-696870667265} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{43BF8CD1-C5D5-2230-7BB2-98F22C2B7DC6}
{33373039-3132-3864-6B30-303233343434} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{43BF8CD1-C5D5-2230-7BB2-98F22C2B7DC6}
{6E633338-267E-2A79-6830-386668666866} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{4776C4DC-E894-7C06-2148-5D73CEF5F905}
{3039636B-5F3D-6C64-6675-696870667265} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{4776C4DC-E894-7C06-2148-5D73CEF5F905}
{33373039-3132-3864-6B30-303233343434} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{4776C4DC-E894-7C06-2148-5D73CEF5F905}
{6E633338-267E-2A79-6830-386668666866} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{3446AF26-B8D7-199B-4CFC-6FD764CA5C9F}
{3039636B-5F3D-6C64-6675-696870667265} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{3446AF26-B8D7-199B-4CFC-6FD764CA5C9F}
{33373039-3132-3864-6B30-303233343434} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{3446AF26-B8D7-199B-4CFC-6FD764CA5C9F}
{6E633338-267E-2A79-6830-386668666866} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{5ECCBACD-C6EF-355D-5A40-82CE4647642B}
{3039636B-5F3D-6C64-6675-696870667265} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{5ECCBACD-C6EF-355D-5A40-82CE4647642B}
{33373039-3132-3864-6B30-303233343434} = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
{5ECCBACD-C6EF-355D-5A40-82CE4647642B}
{6E633338-267E-2A79-6830-386668666866} = "{random values}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
opera.exe
Debugger = "%Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
navigator.exe
Debugger = "%Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
safari.exe
Debugger = "%Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
chrome.exe
Debugger = "%Program Files%\Internet Explorer\iexplore.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
userinit.exe
Debugger = "mxwqp.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft Windows
0000002B3FF26F90 = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft Windows
0000003547893DD5 = "{random values}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft Windows
0000002FD0CD8A17 = "{random values}"

その他

スパイウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}c.com/images/p1.ogg
  • http://{BLOCKED}sound.com/fonts/base61.dat
  • http://{BLOCKED}a.com/commonfiles/newcfg.bin
  • http://{BLOCKED}form.com/cnf/vivi.jpg
  • http://{BLOCKED}xi.cn/nob/arr.76?rnd=-1156698047
  • http://{BLOCKED}xi.cn/nob/arr.76?rnd=-1857025564
  • http://{BLOCKED}xi.cn/nob/arr.76?rnd=-186421436
  • http://{BLOCKED}xi.cn/nob/arr.76?rnd=15495833700
  • http://{BLOCKED}xi.cn/nob/arr.76?rnd=1658221275
  • http://{BLOCKED}xi.cn/nob/arr.76?rnd=703525406


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700

トレンドマイクロのお客様:

    最新のバージョン(パターンファイル および エンジン)を導入したセキュリティ対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。検出したファイルはすべて「削除」し、検出したウイルスはすべて「駆除」してください。削除対象となるファイルには、トロイの木馬型不正プログラムやスクリプト系、上書き感染型ウイルス(overwriting virus)、ジョーク・プログラムなど「駆除」できない不正プログラムがあげられ、これらのファイルを検出した場合は、すべて「削除」してください。

インターネットをご利用の皆様:

  • トレンドマイクロの「オンラインスキャン」を使って、あなたの PC がウイルスに侵されていないかどうかを簡単にチェックすることが可能です。オンラインスキャンはあなたのコンピュータの中に不正なプログラムが存在するかどうかをチェックします。
  • 今日、PCやネットワークをセキュリティ上の脅威から守り、安全なIT環境を維持するためには、セキュリティ製品を活用することが最も有効な方法となっています。トレンドマイクロは、一般の個人ユーザだけでなく、企業ユーザやインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)向けに、ウイルス対策製品やコンテンツセキュリティ対策をご提供しています。トレンドマイクロの製品・サービスについては、こちらをご参照ください。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください