Trend Micro Security

TrojanSpy.JS.REDLINE.PRL

2025年8月8日
 解析者: Paolo Ronniel Labrador   

 別名:

GT:JS.Backdoor.5.94FA5AA4 (BITDEFENDER)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 432,455 bytes
タイプ JS
メモリ常駐 はい
発見日 2025年7月29日
ペイロード システム情報の収集, URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Application Data%\OFsUEelmcAJ\NvPlhiGXOZzAHBpMRIwDoXGRmmFGvq.js → dropped copy

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
OFsUEelmcAJ = "%Windows%\System32\wscript.exe" "{malware path}" hiGXOZzA

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

スパイウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • -7 → Updates the malware script and execute
  • -6 → Uninstall itself from the system
  • -5 → Exit the script
  • -4 → Restart and set connected status
  • -3 → Set disconnected status
  • -2 → Set connected status
  • -1 → Sleep
  • 1 → Download file and execute from C2 then reset ping and connection state
  • 2 → Execute command from C2 then reset ping and connection state

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.{BLOCKED}.56:5219/WzbtsL

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

ルートキット機能

スパイウェアは、ルートキット機能を備えていません。

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %User Temp%\{random}

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Computer Serial Number
  • Total RAM
  • OS Information
  • User Domain
  • Username
  • Process List

その他

スパイウェアは、以下を実行します。

  • It opens a decoy pdf in from the following URL:
    • https://{BLOCKED}omd.org/uploads/2018/05/blank.pdf

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • Accepts the following parameters:
    • hiGXOZzA → immediately start connection to the C2 server
    • RIwDoXGR → wait and then connect to c2 server
    • --update → copy and execute malware update from c2 server then delete old copy

    マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

    <補足>
    インストール

    スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

    • %Application Data%\OFsUEelmcAJ\NvPlhiGXOZzAHBpMRIwDoXGRmmFGvq.js → 作成された自身のコピー

    バックドア活動

    スパイウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

    • -7 → マルウェアのスクリプトを更新して実行する
    • -6 → 感染コンピュータからアンインストールする
    • -5 → スクリプトを終了する
    • -4 → 再起動して接続状態を設定する
    • -3 → 切断状態を設定する
    • -2 → 接続状態を設定する
    • -1 → スリープ
    • 1 → C&Cサーバからダウンロードしたファイルを実行後、pingおよび接続状態をリセットする
    • 2 → C&Cサーバからのコマンドを実行後、pingおよび接続状態をリセットする

    情報漏えい

    スパイウェアは、以下の情報を収集します。

    • コンピュータのシリアル番号
    • RAMの総容量
    • オペレーティングシステム(OS)の情報
    • ユーザドメイン
    • ユーザ名
    • プロセスの一覧

    その他

    スパイウェアは、以下を実行します。

    • 以下のURLに接続して、おとりの PDFファイルを開きます。
      • https://{BLOCKED}omd.org/uploads/2018/05/blank.pdf

    マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

    • 以下のパラメータを受け入れます。
      • hiGXOZzA → すぐに&Cサーバへの接続を開始する
      • RIwDoXGR → 待機してからC&Cサーバに接続suru
      • --update → C&Cサーバからマルウェアアップデートをコピーして実行した後、古いコピーを削除する


      対応方法

    対応検索エンジン: 9.800
    初回 VSAPI パターンバージョン 20.378.04
    初回 VSAPI パターンリリース日 2025年8月7日
    VSAPI OPR パターンバージョン 20.379.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2025年8月8日

    手順 1

    Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

    手順 3

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 4

    以下のレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

     
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • OFsUEelmcAJ = "%Windows%\System32\wscript.exe" {malware path} hiGXOZzA

    手順 5

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • %Application Data%\OFsUEelmcAJ\NvPlhiGXOZzAHBpMRIwDoXGRmmFGvq.js
    • %User Temp%\{random}
  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に以下のファイル名を入力してください。
      • %Application Data%\OFsUEelmcAJ\NvPlhiGXOZzAHBpMRIwDoXGRmmFGvq.js
      • %User Temp%\{random}
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    5. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。

  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
      • %Application Data%\OFsUEelmcAJ\NvPlhiGXOZzAHBpMRIwDoXGRmmFGvq.js
      • %User Temp%\{random}
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    4. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\OFsUEelmcAJ

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TrojanSpy.JS.REDLINE.PRL」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TrojanSpy.JS.REDLINE.PRL」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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