Trend Micro Security

Ransom.Win32.STOP.DO

2021年5月26日
 解析者: Joshua John Bantayan   

 別名:

Trojan:Win32/SodinokibiCrypt.AC!MTB (MICROSOFT); HEUR:Exploit.Win32.Shellcode.gen (KASPERSKY)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 803,328 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2021年3月31日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, メッセージボックスの表示, ファイルの暗号化, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %AppDataLocal%\{GUID}
  • %System Root%\{System ID}

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %AppDataLocal%\{GUID}\{Malware Filename}.exe

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System Root%\{System ID}\PersonalID.txt -> contains a unique identifier for the infected machine
  • %AppDataLocal%\bowsakkdestx.txt -> contains response from CnC server

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • icacls "%AppDataLocal%\{GUID}" /deny *S-1-1-0:(OI)(CI)(DE,DC) -> changes access control of the malware file
  • "{Malware Path}\{Malware Filename}.exe" --Admin IsNotAutoStart IsNotTask -> if executed with admin privileges

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • {1D6FC66E-D1F3-422C-8A53-C0BBCF3D900D}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
SysHelper = "%AppDataLocal%\{GUID}\{Malware Filename}{Malware Filename}.exe" --AutoStart

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion
SysHelper = 1

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • Services with the string "MYSQL"

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正なファイルをダウンロードして実行します。

  • http://{BLOCKED}s.top/files/iner/3.exe
  • http://{BLOCKED}s.top/files/iner/4.exe
  • http://{BLOCKED}s.top/files/iner/5.exe
  • http://{BLOCKED}s.top/files/iner/updatewin.exe
  • http://{BLOCKED}s.top/files/iner/updatewin1.exe
  • http://{BLOCKED}s.top/files/iner/updatewin2.exe

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Computer Name
  • MAC Address
  • IP Address
  • User Name

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • https://api.{BLOCKED}p.ua/geo.json
    • It terminates and deletes itself on the affected system if the return of the IP address location is any of the following:
      • RU (Russia)
      • BY (Belarus)
      • UA (Ukraine)
      • AZ (Azerbaijan)
      • AM (Armenia)
      • TJ (Tajikistan)
      • KZ (Kazakhstan)
      • KG (Kyrgyzstan)
      • UZ (Uzbekistan)
      • SY (Syrian Arab Republic)

マルウェアは、以下を実行します。

  • It connects to the following URL to get the arguments needed for "--Service" and "--ForNetRes" to perform their routine:
    • http://{BLOCKED}s.top/raud/get.php?pid={MD5 hash of the machine's MAC Address}&first=true

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • --Admin -> runs the malware as admin
  • --AutoStart -> executes using autorun registry keys.
  • --ForNetRes -> {argument/s from URL}
  • --Service {PID of parent malware} -> {argument/s from URL}
  • IsAutoStart/IsNotAutoStart -> executes malware as an autostart or not
  • IsTask/IsNotTask -> executes malware as a task or not

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • ntuser.dat
  • ntuser.dat.LOG1
  • ntuser.dat.LOG2
  • ntuser.pol

マルウェアは、以下のフォルダ内で確認されたファイルの暗号化はしません。

  • {Drive}:\SystemID\
  • {Drive}:\Users\Default User\
  • {Drive}:\Users\Public\
  • {Drive}:\Users\All Users\
  • {Drive}:\Users\Default\
  • {Drive}:\Documents and Settings\
  • {Drive}:\ProgramData\
  • {Drive}:\Recovery\
  • {Drive}:\System Volume Information\
  • {Drive}:\Users\%username%\AppData\Roaming\
  • {Drive}:\Users\%username%\AppData\Local\
  • {Drive}:\Windows\
  • {Drive}:\PerfLogs\
  • {Drive}:\ProgramData\Microsoft\
  • {Drive}:\ProgramData\Package Cache\
  • {Drive}:\Users\Public\
  • {Drive}:\$Recycle.Bin\
  • {Drive}:\$WINDOWS.~BT\
  • {Drive}:\dell\
  • {Drive}:\Intel\
  • {Drive}:\MSOCache\
  • {Drive}:\Program Files\
  • {Drive}:\Program Files (x86)\
  • {Drive}:\Games\
  • {Drive}:\Windows.old\

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • {Original Filename}.{Original Extension}.ekvf

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • {System Root}\_readme.txt

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .sys
  • .ini
  • .DLL
  • .dll
  • .blf
  • .bat
  • .lnk
  • .regtrans-ms


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.658.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年4月15日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.659.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年4月16日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF043

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • SysHelper = "%AppDataLocal%\{GUID}\{Malware Filename}{Malware Filename}.exe" --AutoStart
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion
    • SysHelper = 1

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\{GUID}\{Malware Filename}.exe
  • %System Root%\{System ID}\PersonalID.txt
  • %AppDataLocal%\bowsakkdestx.txt
  • {System Root}\_readme.txt
  • {Encrypted Directory}\_readme.txt

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\{GUID}
  • %System Root%\{System ID}

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Ransom.Win32.STOP.DO」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

暗号化されたファイルをバックアップから復元します。

手順 10

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.STOP.DO」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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