Trend Micro Security

Ransom.Win32.RYUK.FAILDEL

2021年5月11日
 解析者: Patrick Noel Collado   

 別名:

Ransom:Win32/Ryuk!MTB (Microsoft), Trojan-Ransom.Ryuk (Ikarus)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: 身代金要求型不正プログラム(ランサムウェア)
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 共有ネットワークフォルダを介した感染活動

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ネットワーク共有フォルダを介して感染活動をします。その際、利用可能なネットワーク共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

身代金要求文書のファイルを作成します。 以下のファイル拡張子を持つファイルは暗号化しません。


  詳細

ファイルサイズ 121,856 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2021年3月13日
ペイロード プロセスの強制終了, ファイルの暗号化, メッセージボックスの表示

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • {Malware Path}\{9 random characters}rep.exe
  • {Malware Path}\{9 random characters}lan.exe - 2 copies with this name was dropped

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • {Malware Path}\{9 random characters}rep.exe 9 REP
  • {Malware Path}\{9 random characters}lan.exe 8 LAN
  • {Malware Path}\{9 random characters}lan.exe 8 LAN -> 2nd copy
  • icacls ""{Drive letter}:\*"" /grant Everyone:F /T /C /Q
  • net stop "{Service Name}"" /y
  • taskkill /IM /F {Process Name}
  • schtask /Create /S {remote machine} /TN {name of scheduled task} /TR "" /sc once /st 00:00 /RL HIGHEST

感染活動

マルウェアは、ネットワーク共有フォルダを介して感染活動をします。その際、利用可能なネットワーク共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上でプロセスが常駐されていることを確認した場合、以下のいずれかの文字列を含むプロセスまたはサービスを終了します。

  • Processes:
    • virtual
    • vmcomp
    • vmwp
    • veeam
    • backup
    • xchange
    • sql
    • dbeng
    • sofos
    • calc
    • ekrn
    • zoolz
    • encsvc
    • excel
    • firefoxconfig
    • infopath
    • msaccess
    • mspub
    • mydesktop
    • ocautoupds
    • ocomm
    • ocssd
    • onenote
    • oracle
    • outlook
    • powerpnt
    • sqbcoreservice
    • steam
    • synctime
    • tbirdconfig
    • thebat
    • thunderbird
    • visio
    • word
    • xfssvccon
    • tmlisten
    • pccntmon
    • cntaosmgr
    • ntrtscan
    • mbamtray
  • Services:
    • vmcomp
    • vmwp
    • Back
    • xchange
    • ackup
    • acronis
    • sql
    • Enterprise
    • Sophos
    • Veeam
    • AcrSch
    • Antivirus
    • bedbg
    • DCAgent
    • EPSecurity
    • EPUpdate
    • Eraser
    • EsgShKernel
    • FA_Scheduler
    • IISAdmin
    • IMAP4
    • MBAM
    • Endpoint
    • Afee
    • McShield
    • task
    • mfemms
    • mfevtp
    • mms
    • MsDts
    • Exchange
    • ntrt
    • PDVF
    • POP3
    • Report
    • RESvc
    • sacsvr
    • SAVAdmin
    • SamS
    • SDRSVC
    • SepMaster
    • Monitor
    • Smcinst
    • SmcService
    • SMTP
    • SNAC
    • swi
    • CCSF
    • TrueKey
    • tmlisten
    • UI0Detect
    • W3S
    • WRSVC
    • NetMsmq
    • ekrn
    • EhttpSrv
    • ESHASRV
    • AVP
    • klnagent
    • wbengine
    • KAVF
    • mfefire

ランサムウェアの不正活動

マルウェアは、ファイル名に以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • ntldr
  • bootmgr
  • boot
  • NTDETECT

マルウェアは、ファイルパスに以下の文字列を含むファイルの暗号化はしません。

  • \Windows\
  • Windows
  • boot
  • WINDOWS
  • Chrome
  • Mozilla
  • SYSVOL
  • NTDS
  • netlogon
  • sysvol

マルウェアは、暗号化されたファイルのファイル名に以下の拡張子を追加します。

  • .RYK

マルウェアが作成する以下のファイルは、脅迫状です。

  • %User Temp%\RyukReadMe.html
  • {Encrypted Directory}\RyukReadMe.html

以下のファイル拡張子を持つファイルについては暗号化しません:

  • .dll
  • .exe
  • .ini
  • .lnk


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 16.594.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2021年3月14日
VSAPI OPR パターンバージョン 16.595.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2021年3月15日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF042

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

「Ransom.Win32.RYUK.FAILDEL」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 DATA_GENERIC
  • [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
  • 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    註:ファイル名の入力欄のタイトルは、Windowsのバージョンによって異なります。(例:ファイルやフォルダ名の検索の場合やファイル名のすべてまたは一部での検索)
  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
      DATA_GENERIC
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。

  • 手順 6

    最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Ransom.Win32.RYUK.FAILDEL」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

    手順 7

    暗号化されたファイルをバックアップから復元します。


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