Trend Micro Security

Backdoor.Win32.SDBBOT.AA.tmsr

2021年3月24日
 解析者: Bren Matthew Ebriega   

 別名:

Trojan:Win32/Casdet!rfn (MICROSOFT); W32/Generic!tr (FORTINET)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。 マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 82,432 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2019年10月16日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • When ran with administrator privileges:
    • When ran in a system with a version lower than or equal to Windows 7:
      • %User Temp%\sdb{4 digit Hex Number}.tmp
      • %Windows%\AppPatch\Custom\{hex-values}.sdb
    • When ran in a system with a version greater than Windows 7:
      • %System%\mswinload0.dll
  • When ran without administrator privileges:
    • %Application Data%\mswinload.dll

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • When ran with administrator privileges:
    • %System%\sdbinst.exe -q -p %User Temp%\sdb{4 digit Hex Number}.tmp (While running in a system with a version lower than or equal to Windows 7)

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • windows_7_windows_10_check_running_once_mutex

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
mswinload = rundll32 %AppData\mswinload.dll,#1

マルウェアは、特定のアプリケーションの起動時に自身が自動実行されるよう、「Image File Execution Options」キーを用いて以下のレジストリキーおよびレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
winlogon.exe
VerifierDlls = mswinload0.dll

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
{3 random letters}
{1 letter} = {Hex Values}

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
{3 random letters}
{1 letter} = {Hex Values}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\AppCompatFlags\
Custom\services.exe
{hex-values}.sdb = {Timestamp}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Uninstall\
{hex-values}.sdb
DisplayName = Microsoft KB2720155

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Uninstall\
{hex-values}.sdb
UninstallString = %System%\sdbinst.exe -u %Windows%\AppPatch\Custom\{hex-values}.sdb

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsot\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\
InstalledSDB\{hex-values}
DatabasePath = %Windows%\AppPatch\Custom\{hex-values}.sdb

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsot\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\
InstalledSDB\{hex-values}
DatabaseType = {Numbers}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsot\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\
InstalledSDB\{hex-values}
DatabaseDescription = Microsoft KB2720155

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsot\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\
InstalledSDB\{hex-values}
DatabaseInstallTimeStamp = {Timestamp}

バックドア活動

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Execute CMD Commands
  • Reboot the System
  • Sleep
  • Record Video
  • Enable/Disable RDP
  • Port Forward
  • Inject PE Files
  • Get Drive Information and Directories/Files
  • Manage Files (Create,Read,Write,Delete)
  • Create Directory

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • {BLOCKED}analtyic.com:443

情報漏えい

マルウェアは、以下の情報を収集します。

  • Domain Name
  • Computer Name
  • Country Code
  • OS Version and Architecture
  • User Privilege
  • Proxy Settings

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
{3 random letters}

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\
{3 random letters}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\AppCompatFlags\
Custom\services.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Uninstall\
{hex-values}.sdb

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsot\
Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\
InstalledSDB\{hex-values}

マルウェアは、以下を実行します。

  • After installing itself in the system, the system it is running on needs to be rebooted in order for it to proceed with its other malicious routines.
  • It checks the user privilege it is run with and depending on what was used it will use the following registry tree:
    • HKEY_LOCAL_MACHINE → When run with administrator rights
    • HKEY_CURRENT_USER → When run without administrator rights
  • The created registry key contains the loader for the encrypted RAT component and the encrypted RAT component itself.
  • It checks the version of the system it is running on and depending on the result will use different ways of establishing persistence:
    • For systems running with a version lower than or equal to Windows 7:
      • Via Applications Shims (Installed with sdbinst.exe)→ When run with administrator rights
      • Via Registry Run Keys → When run without administrator rights
    • For systems running with a version greater than Windows 7:
      • Via Registry Run Keys → When run without administrator rights
      • Via Image File Execution Options Keys → When run with administrator rights


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 15.458.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年10月28日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.459.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年10月29日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF042

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

「Backdoor.Win32.SDBBOT.AA.tmsr」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • mswinload = rundll32 %AppData\mswinload.dll,#1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\winlogon.exe
    • VerifierDlls = mswinload0.dll

手順 7

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\{3 random letters}
  • In HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft\{3 random letters}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\AppCompatFlags\Custom\services.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\{hex-values}.sdb
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsot\Windows NT\CurrentVersion\AppCompatFlags\InstalledSDB\{hex-values}

手順 8

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\sdb{4 digit Hex Number}.tmp
  • %Windows%\AppPatch\Custom\{hex-values}.sdb
  • %Application Data%\mswinload.dll
  • %System%\mswinload0.dll

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Backdoor.Win32.SDBBOT.AA.tmsr」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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