Trend Micro Security

Backdoor.JS.EVILAI.YXFH3

2025年9月12日
 解析者: Jeffrey Francis Bonaobra   
 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: バックドア型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  詳細

ファイルサイズ 189,548 bytes
タイプ JS
メモリ常駐 はい
発見日 2025年8月29日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

バックドア活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • https://pdf-tool.{BLOCKED}tes.ai/api/s3/new
  • https://sdk.{BLOCKED}tes.ai/api/s3/config
  • https://pdf-tool.{BLOCKED}tes.ai/api/s3/validate
  • https://sdk.{BLOCKED}tes.ai/api/s3/options
  • https://log.{BLOCKED}tes.ai/api/s3/event
  • https://on.{BLOCKED}tes.ai/api/s3/ping
  • https://{BLOCKED}tes.ai/api/s3/remove

その他

マルウェアは、以下を実行します。

  • It executes the following backdoor commands:
    • Read, write, delete, enumerate, or extract files.
    • Read, write, or delete registry entries
    • Download and execute files
    • Enumerate processes
    • Terminate processes
    • Execute processes
    • Execute arbitrary commands
  • It can steal information from the following browsers:
    • Wave Browser
    • OneLaunch Browser
    • Shift Browser
  • It can steal the following information from browsers:
    • Saved Credentials
    • Browser History
    • Cookies

マルウェアは、以下のパラメータを受け取ります。

  • --c and --cm missing → initiates installation
  • --c=0 → skips main backdoor routine and runs GUI if the file %User Profile%\PDF Editor\resources\app\w-electron\bin\release\mode.data exists
  • --cm=--cleanup → unregisters machine from the server and deletes created scheduled tasks
  • --cm=--partialupdate → read and modify browser configurations, executed by PDFEditorScheduledTask every 24 hours
  • --cm=--fullupdate → read and modify browser configurations, triggered via registry autorun or manual execution
  • --cm=--enableupdate → adds the autorun key PDFEditorUpdater with --cm=--fullupdate command line argument
  • --cm=--disableupdate → removes the autorun key PDFEditorUpdater
  • --cm=--backupupdate → maintains command and control server connectivity

(註：%User Profile%フォルダは、現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\＜ユーザ名＞"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\＜ユーザ名＞" です。)

以下のスケジュールされたタスクを追加します：

  • Task Name: PDFEditorScheduledTask
    Description: PDFEditorScheduledTask
    Trigger: Once daily, every 1442 minutes
    Action: "%AppDataLocal%\Programs\PDFEditor\PDF Editor.exe" --cm=--partialupdate
  • Task Name: PDFEditorUScheduledTask
    Description: PDFEditorUScheduledTask
    Action:: "%AppDataLocal%\Programs\PDFEditor\PDF Editor.exe" --cm=--backupupdate

(註：%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\＜ユーザ名＞\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\＜ユーザ名＞\AppData\Local" です。)

  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 20.452.07
初回 VSAPI パターンリリース日 2025年9月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 20.453.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2025年9月12日

手順 1

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム（OS）の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル／フォルダ／レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

セーフモード時のスケジュールタスクの削除方法

  1. セーフモードのまま、以下の{タスク名}-{実行するタスク}のリストを使用し、以下のステップで確認する必要があります。
    • Task Name: PDFEditorScheduledTask
    • Task to be run: %AppDataLocal%\Programs\PDFEditor\PDF Editor.exe --cm=--partialupdate
    • Task Name: PDFEditorUScheduledTask
    • Task to be run: %AppDataLocal%\Programs\PDFEditor\PDF Editor.exe --cm=--backupupdate
  2. Windows 7 および Server 2008 (R2) をご使用の場合は、[スタート] > [コンピューター] をクリックします。
    • Windows 8、8.1、10、Server 2012をご使用の場合は、画面左下で右クリックし、「ファイルエクスプローラ」をクリックします。
  3. PCの検索欄に、次のように入力します。
    • System%\Tasks\{タスク名}
  4. ファイルを選択し、SHIFT+DELETEキーを押して削除します。
  5. レジストリエディタを開き、以下を実行してください。
    • Windows 7およびServer 2008（R2）をご使用の場合は、［スタート］ボタンをクリックし、［検索］入力フィールドに「regedit」と入力し、Enterキーを押します。
    • Windows 8、8.1、10、およびServer 2012（R2）をご使用の場合は、画面の左下隅を右クリックし、［実行］をクリックして、テキストボックスに「regedit」と入力します。
  6. レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
  7. 作成されたエントリを探し、レジストリ値のデータをメモする。
    • ID={タスクデータ}
  8. データを記録した後、レジストリキーを削除します。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
  9. レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tasks
  10. 左側のパネルで、手順6で配置したTask Dataと同じ名前のレジストリキーを探して削除します。
    • ={タスクデータ}
  11. レジストリエディタを閉じます。

手順 5

最新のバージョン（エンジン、パターンファイル）を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「Backdoor.JS.EVILAI.YXFH3」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか？　アンケートにご協力ください