株式会社ネットワールド

株式会社ネットワールドは、技術に強いディストリビュータとして、セキュリティ分野で確固たる地位を築いています。トレンドマイクロとは関係が深く、長期にわたってさまざまな製品を取り扱ってきました。今回は、インフラソリューション技術部セキュリティソリューション課 次長 新納 辰見氏をはじめ、現場で活躍されている上級係長の黒江 尚子氏、大久保 健一氏にオンラインインタビューし、同社の強みと今後の展望について、語り合っていただきました。

メンバープロフィール

新納 辰見 さま
黒江 尚子 さま
大久保 健一 さま

――本日は、よろしくお願いします。ネットワールドさんは、トレンドマイクロとかなり長くパートナー関係にあると伺っています。

新納 辰見 さま

会社としてお付き合いを始めたのは1990年代後半からですね。私は2000年くらいからセキュリティ担当になり、個人としても20年以上の関係です。ウイルスバスターコーポレートエディションから始まって、InterScanやServerProtectなど、さまざまな製品を扱ってきました。いまは管理職なので、現場に出ることはほとんどありませんが、トレンドマイクロ製品とセキュリティの勘所についてはおさえています。そのため、チームメンバーからアドバイスを求められれば助言することは多いです。

――それでは、こちらのお二方が実際にプロジェクトを動かしているのですね。

黒江 尚子 さま

はい。私はゲートウェイ系とメール系を中心にプロジェクトを担当しています。最近は、クライアント系の案件が増えています。

大久保 健一 さま

私はクライアント系がメインで、Deep Securityもやっています。クライアント系は、確かに最近かなりニーズが増えている印象で、手が回らないくらいの引き合いがあります。

新納 辰見 さま

人材採用もがんばっていますが、当社のリソースが一杯でもお客様をお待たせしない様、数年前に「パートナーリング」を立ち上げました。セキュリティに強い協力会社さんと一緒にプロジェクトを回すためのエコシステムです。優れたノウハウのあるところと組んでいて、お客様からも好評です。

――実際にやったプロジェクトで、印象に残っているものはありますか。

黒江 尚子 さま

やはり初めて扱う製品の導入プロジェクトは印象に残りますね。検証環境があるので事前に知識を蓄えてからプロジェクトに入れるとはいえ、移行プロジェクトの場合などでは特にお客様の仕様に合わせる必要があり、そのあたりは現場に出てみて初めて経験することが多くあります。壁に当たると、トレンドマイクロのサポートに細かいところなどを聞きまくります。めちゃくちゃ頼ってしまうのですよ(笑)。

大久保 健一 さま

私は2017年にセキュリティ部門に来たのですが、その前はVMware製品を担当していました。Deep SecurityとVMwareとの連携プロジェクトが初めてのプロジェクトで、VMwareの方は知識があり不安はありませんでしたが、Deep Securityは初体験です。お客様からの問い合わせには、Deep Securityの深い製品知識が必要なものが多く、製品ドキュメントを調べたり、サポートを活用したりするなどして何とか対応しました。苦労したぶん力はつきました。サポートの皆様のおかげです。

――成功体験はどうでしょう。

大久保 健一 さま

お客様から継続案件の依頼をいただけたときは、やはりうれしいものです。先ほどのお客様は、セキュリティの新人だった私が担当してしまい、ベテランの方に比べるとレスポンスが遅かったかもしれませんが、数年後のアップグレード時にもお声がけいただけました。そのようなときは、うれしいですね。

黒江 尚子 さま

セキュリティ分野ですから、クレームも少なくありませんが、総じて、弊社の顧客満足度は高いという自信はあります。

――現在注力しているのは、どのようなソリューションですか。

大久保 健一 さま

オンプレのDeep Securityを導入されているお客様はVMwareと連携しエージェントレス構成にすることでプラットフォームと運用にかかる負荷を下げたいと考えているケースが多いですね。Deep SecurityとVMwareの実績も多くまた相性が良いため、新規の場合もセットで考えてくれるお客様は多いです。

黒江 尚子 さま

基盤の更新案件が増えています。たとえば、「メール基盤をクラウドに移すからメールセキュリティの部分はSaaS版のEmail Securityに移行したい」などです。お客様のセキュリティに対する課題意識は高まっていて、最新のパターンファイルを適用するだけでは対応できない脅威に対処できるようなセキュリティソリューションが求められています。

新納 辰見 さま

そのためにも脅威の可視化が重要で、これからはゼロトラストネットワークに向けて、Apex One SaaSのXDR機能の需要が増えてきそうです。弊社はクラウド活用支援サービスの「CloudPath Services(クラパス)」やSOCサービスを提供していますが、それらのように包括した提案が求められる案件では、EDRやXDRが絡むケースが多いです。

――具体的にXDRを本格的に推進する方向で検討されていますか。

新納 辰見 さま

はい。これまではApex Oneが中心でしたが、Deep SecurityやDeep Discovery Inspectorなど製品的にはXDRに対応しているものの、導入支援の対応が出来ていなかった製品も多く、これらについても遅くとも夏までには立ち上げます。2023年から3か月をトレーニング期間として、4月から徐々にプロジェクトに入っていくイメージで考えています。
今増えてきているOTセキュリティについても少しずつ始めていきたいと思います。

黒江 尚子 さま

……何も聞いてないわー(笑)。

大久保 健一 さま

聞こえません。音声にノイズが入ったようです(笑)。

新納 辰見 さま

メール送ったよ~。

――フラットで風通しの良い職場、というか、みなさん仲が良さそうですね。

株式会社ネットワールド 新納 さま

いつもこんな感じです。コロナ以降、在宅が基本になっていて、ミーティングの際にも、映像はあまり使いません。オンラインとはいえ顔を合わせるのは久しぶりなのですが、私の扱いはいつもと変わらないようです(笑)。

――みなさん、やるとなったらどうされます?

大久保 健一 さま

自社環境なので、他製品とその担当SE含め連携の検証ができます。連携ソリューションとして提案する場合、各製品担当が一緒になって検証し知識を共有しています。製品単体のトレーニング以上のことを実際にやってみて、事前に準備しますね。

黒江 尚子 さま

プロジェクトのキモは、最適なヒアリングシートを準備することです。あまり詳細すぎても、大雑把すぎてもだめで、全体像を確実につかめるようなものにする必要があります。これを3か月で作れるかどうか、という勝負になりますね。もちろんブラッシュアップはするのですが、初めてとはいえ変なものは作れませんから。

新納 辰見 さま

引き合いがあれば、お客様の機器を持ち込んでもらって物理的にも事前検証できる「PIC(プリ・インテグレーション・センター)」という設備を使うこともできます。部門同士の横のつながりと、優秀なスタッフの協力で、夏までには本格化させますよ。ルーキー賞を取った若手エースも居ますし、頼りになる人材です。

――そのために、御社の強みを今後どう生かしていこうと考えていますか。

大久保 健一 さま

取り扱い製品が多いため、お客様側でRFPレベルまでやりたい内容が固まっていなくても、相談を受けることが多いです。それでも、個別製品の機能の優劣だけでなく、連携する他製品との親和性など、構成全体としての最適な提案をできることが弊社の強みです。XDRも今後サービス展開/広げることで優位性になるのではないかと考えています。

黒江 尚子 さま

事前に確認をきちんとやることで、トラブルのリスクを最小限に抑えられます。技術力をさらに高めて、連携する製品ときっちり検証することで、顧客満足度を高く維持していきたいです。

新納 辰見 さま

私たちは、ディストリビュータですから、本来はSIerの支援をメインに取り組むべきです。ただ、技術力がなく流通だけの存在になってしまえば、セキュリティの分野で独自の地位を築けません。ですから、技術に強い流通として、業界内で引き続き存在感を示せるよう努力していきます。同時に、中立的な立場として、「トレンドマイクロの良さ」をお客様に正しく伝えていきたいと考えています。エンドポイント製品だけでも数種類扱っていて、実際に検証もしていますから。

――本日はありがとうございました。

ネットワールドでは、ライセンスや機器の販売だけではなく、多数の案件実績によって蓄積された高い技術力とノウハウを元に、製品を熟知したスタッフによる導入サービスを行っております。