第5回SMILE PROJECTレポート

こんにちは、第5回ウイルスバスターSMILE PROJECT メンバーの朴順伊です。
今回のプロジェクトでは、気仙沼市図書館と気仙沼大島を訪れました。

気仙沼大島を訪れるのは昨年7月と今回で2回目でしたが、島の様子の変化なども含めて活動レポートをさせていただきます。

初日に訪れた気仙沼市では、地元ボランティアネットワークのガイドさんの案内で、津波被害が最も深刻な鹿折(ししおり)地区をバスで回りました。以前は沢山の水産加工工場や社屋でひしめき合っていたというこの地域は、ほとんどが津波で流され文字通り「何もない」状態です。内陸に乗り上げた大きな船の前には、沢山のお花やぬいぐるみなどが添えられていました。まだまだ内陸部には手つかずのがれきが残っており、長期かつ継続的な支援が必要とされているとのことでした。また、ボランティアセンターのパソコンがウイルスに感染してしまったと伺い、早速ウイルスバスターをお届けするお約束もさせていただきました。午後に訪れた気仙沼市図書館では、集まってくれた子供たちとプロジェクトメンバーがペアになり、折り紙やお絵かき、英会話のアプリを使って楽しくiPadの操作方法を学習しました。トレンドマイクロのCEOエバ・チェンによるお絵かきの実演や、トレンドマイクロ台湾支社からのメンバーとの英会話コーナーなどもあり、集まった子供たちからは始終笑い声や歓声が上がっていました。初めてのiPad操作にもすぐ慣れ、自在にアプリを操る子供たちの学習スピードの速さには、改めてIT教育の可能性やITセキュリティの重要性について考えさせられました。教室で使ったiPad2 10台は図書館に寄贈させていただきました。今後たくさんのITエキスパートが誕生し、地元でも活躍してくれることを願います。

二日目にフェリーで渡った気仙沼大島では、昨年訪れたときに船着き場に大きく乗り上げていたフェリー船が撤去され (幸い無傷で、航行を再開できたとのこと!)、フェリー乗り場には売店やガソリンスタンドもオープンしていました。 昨年ボランティアで訪れたときには一帯ががれきの山でしたので、本当にすばらしい前進です!ボランティア作業では3つのチームに分かれたのですが、私は、養殖ワカメの出荷前作業のお手伝いをさせていただきました。短い時間では大したお手伝いもできず、むしろ多くの貴重なお話やお土産のワカメまでいただいてしまいました。お礼(?)に、弊社創業メンバーのジェニー・チャンと一緒にテレサ・テンの歌を歌って差し上げたのですが、果たして喜んでいただけたので しょうか…(^^;)

別のチームでは、津波で流されてしまった作業工場の片付けをお手伝いしました。ご依頼主は漁師さん一家。今回の津波で建物の基礎以外のすべてが流されてしまったそうですが、 その同じ場所に土を盛り、もしもまた津波が襲ってきても持ちこたえることのできる高さにした後、工場を再建すると伺いました。工場跡には、壊れた水道管、流し台、機械や水槽など、養殖に使う様々な道具などがあり、これらを50メートルほど離れた別の場所に移動したりしました。今回はたった一軒の漁師さんのニーズにお応えすることしかできませんでしたが、少しでもお役に立てればという思いでお手伝いさせていただきました。

3つ目のチームは、前回もお邪魔した地福寺というお寺で、被災地からの情報発信を行うための支援をさせていただきました。もともとあった地福寺のブログは頻繁に更新するのが難しいというお話だったため、ブログは大きなイベント告知やレポートなどにとどめ、新たにお寺のFacebookページを開設し、住職の携帯電話からも手軽に情報発信できる仕組みを作るなど、情報発信ツールの棲み分けを提案、設定してきました。お借りしたパソコンで作業を進める中、住職がお考えの復興プランや防潮林などのお話をいただき、気仙沼のよりよい未来のために尽力されている住職のお姿を伺い知ることができました。

地元の方のお話によれば、昨年以降に現地を訪れた多くのボランティアの支援などもあり、がれきの撤去は最近ようやく一段落したとのことです。けれども産業が根本的に破壊され、まだまだ復興の目処は立っていないようです。
一企業・一社員として支援できることには限りがあるかもしれませんが、できることから少しずつ、地元の方々のニーズにも丁寧に耳を傾けながら、今後も息の長い支援活動が継続できればと思っています。
一人でも多くの方々にスマイルをお届けすべく、これからもがんばって参ります!

活動年月日:2012年3月28日(水)~29日(木)