第25回SMILE PROJECTレポート

みなさま、こんにちは。 第25回 トレンドマイクロ ウイルスバスター SMILE PROJECT メンバーの稲田と申します。
今回のプロジェクトは、2015年8月6日(木)~8月8日(土)にかけて、宮城県気仙沼市、大島へ行って参りました。以下、3日間の活動についてご報告させて頂きます。

【1日目】 初日は早朝の新幹線で東京から仙台へ、その後マイクロバスで閖上中学校、大川小学校に向かいました。閖上中学校は、割れた窓ガラスに、外壁に飾った時計も震災の時間に止まったままで、辺りは瓦礫が撤去され、かつての港町は一面が更地となっていました。大川小学校では、地元の方から貴重なお話を聞くことが出来ました。その中で「(ボランティアとして来て、)何が出来るんだ?」という問いは、厳しくも的確なものでした。震災から4年以上が経ち、災害直後の面影も消えつつある中で、外から訪れる人間とその場に居合わせた方との震災に対する意識のかい離を大きく感じました。 その後、南三陸防災庁舎跡地に立ち寄り、震災語り部ツアーに参加し、今回のツアーをガイドしてくれた熊谷さん、すがとよ酒店の菅原さんにお話を聞かせていただきました。お二人の共通項として、更地になった土地の底上げ、沿岸部に防波壁の設置など行政主導の復興事業が地元住民が納得しきらないまま進んでいる現状が挙げられていました。

【2日目】 早朝のフェリーで大島に向かい、スマイルプロジェクトでいつもお世話になる旅館「明海荘」に移動し、午前、午後とTattonプロジェクトの綿畑で草取りと水やり作業をお手伝いしました。津波により、多くの農地が塩分で稲作困難になってしまったため、塩害対策として塩分を吸収できる綿を栽培することで、少しずつ農地を再生させる取り組みです。炎天下で思った以上に体力が奪われる環境下での慣れない農作業は、予定の半分程度しか進みませんでした。 午後の作業を終え、小休憩を取ってから大島で最も高い亀山へ向かいました。山頂に向かう道中には山火事で根本が焦げたままの木が点在し、震災の爪痕がうかがわれました。山頂からの景色は、日本百選に選ばれた海岸や、山火事の時に防火帯を築いた道路、住宅街、反対側の気仙沼や唐桑半島が一望でき、日常をすべて忘れさせてくれるような眺めでした。 夜は、大島の漁師の方々と一緒にお食事しました。地元の方は温厚で明るい方々ばかりで、おいしい食事をいただきながら交流を深めました。 【3日目】 最後の日も午前中は、引き続きTattonプロジェクトの綿畑で草取りと水やり作業をお手伝いしました。2日目と比べ気温も和らぎ、なんとか活動時間のうちに終えることが出来ました。この農地から塩分が抜けて本格的な稲作ができるまでまだまだ時間がかかり、継続的なサポートが必要だと感じました。 午後になり、大島を発つフェリーに乗り込む際、2日目夜にお世話になったタカさんが見送りに来てくださっていました。タカさんは、豆粒大になるまで手を振り続けてくれました。 その後、浦の浜港の市場でお土産を買い、ローカル線で1時間強揺られ、一の関駅から新幹線に乗り、東京に戻ってきました。 【SMILE PROJECTを終えて】 今までは、メディアからの情報でのみしか知らなかった震災ですが、閖上中学校や大川小学校のように当時のまま残っている光景や、語り部としてお話しいただいた復興のままならない現状、懇親会で触れ合った方の強さ、暖かさなど様々なベクトルの情報、且つ濃密な体験だったために、未だ頭を整理できていませんが、今なお復興中の被災地に対して、自分が出来ることを考えるきっかけになったのではないかと思います。
気仙沼、大島の皆様、暖かく迎えてくださった皆様、本当にありがとうございました。

活動年月日 2015年8月6日(木)~8月8日(土)