株式会社大和総研

スピード感のあるDX拡大の鍵は、
「クラウド環境を活かすセキュリティ」

概要

お客さまの課題

DXで顧客に新たな価値や体験を提供するためにクラウドネイティブなシステム開発を目指しており、この方針に合致するセキュリティソリューションの実装方法を模索していた。

解決策と効果

クラウド技術の活用に適したセキュリティソリューションの実装により、低コストかつ短期間での開発が可能となり、DXの拡大へ大きく弾みがついた。

"複数のセキュリティ領域での豊富な実績も含め、セキュリティのトップベンダーとしてのトレンドマイクロには高い信頼を寄せています"

大和総研
システムインフラ第一部
本吉 洋子 氏

"C1FSSの導入に当たっては、トレンドマイクロのご担当者には総合的な提案やご支援をいただき、とても心強く感じました。また、通常半日以上掛かるミドルウェアの導入作業が、わずか1時間足らずと極めて短期間のうちに完了できました"

大和総研
システムインフラ第一部
川崎 泰紀 氏

導入の背景

株式会社大和総研(以下、大和総研)は、大和証券グループのシンクタンクとして、金融系をはじめ多くのシステムの設計・開発を長年手掛けてきた経験と実績をベースにした幅広いシステムソリューションを提供するとともに、リサーチ、コンサルティングの事業を展開している。

金融業界ではお客様の重要な情報を数多く預かることから高いセキュリティ水準が求められ、同社も情報セキュリティ対策には早くから力を入れてきた。それと同時に、大和証券グループでは現在デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、大和証券グループ本社はDX注目企業2021に選定されている。

また、各種業務システムの基盤も、これまでグループ会社で共有してきたプライベートクラウド基盤にてISO/IEC27017を取得している。近年ではパブリッククラウドサービスの利用も積極的に進めており、パブリッククラウドの利点を活かしたシステム設計や開発についても注力している。

お客さまの課題

大和証券グループの中核会社である大和証券では世間でDXが叫ばれる前から、モバイル端末を活用した営業スタイル(外交先での顧客情報参照や電子署名など)を取り入れるなど、ITによる業務の効率化に取り組んできた。

こうして、大和証券の営業担当者とお客様の間でやりとりされる書類の電子化を進めてきたが、大和総研システムインフラ第一部本吉洋子氏によれば、電子ファイルのやりとりをセキュアな環境で実現するための仕組みが求められていた。

「メールにファイルを添付した場合、情報漏洩リスクや、メールボックスの容量制限が課題となります。また、外部のストレージサービスを利用する場合、お客様のアカウントやアクセス権の管理が煩雑になるという課題もありました」

そこで同社は、ファイルの送受信に特化した、もっとシンプルかつセキュアにクラウド上でファイルをやりとりできる「ファイル受渡基盤」と呼ばれるクラウドネイティブな独自システムを自社開発することにした。

選ばれる理由

今回構築する「ファイル受渡基盤」のセキュリティ対策については、複数セキュリティ領域における豊富な実績だけでなく、セキュリティのトップベンダーとして先進的な技術を提供しているという信頼感からトレンドマイクロのソリューションを検討した。

ファイル受渡基盤の開発にあたっては、システムの設計・構築・運用にかかる時間、コストを最小化するために、アマゾンウェブサービス(AWS)のマネージドサービスをフル活用。クラウドストレージサービスとしてはAmazon Simple Storage Service(Amazon S3)を採用したが、ここにアップロードされたファイルが安全かどうかをチェックするための仕組みも、今回新たに導入する必要があった。

そのような状況を踏まえて紹介されたのが、AWSクラウド環境上でファイルデータのウイルススキャンができるTrend Micro Cloud One - File Storage Security(C1FSS)だった。

同製品を選定した理由について、大和総研システムインフラ第一部川崎泰紀氏は次のように説明する。

「当社は製品・サービスを選定する際に、『導入形態』『方式』『導入実績』『料金体系』という評価軸を設けており、これらに照らし合わせた結果C1FSSが他の製品と比べ最も優れていると判断しました。またサーバレスのため導入・運用にかかる手間やコストが少なく済み、先進テクノロジーの恩恵も受けられると判断しました」

トレンドマイクロの担当者は日々の活動を通じて大和総研のニーズをしっかりと把握しており、自社の活動や目的に合わせたソリューションの提案をしてくれる心強さも決め手となった。

また、C1FSSは当時国内販売が始まって間もなかったが、トレンドマイクロへの信頼から安心して導入することができた。

大和総研 活用イメージ図

ソリューション

早速、自社の評価環境にC1FSSを導入したところ、クラウドネイティブのアーキテクチャに対応したセキュリティソリューションの価値であるスピード感をすぐに実感した。

C1FSSはAWS CloudFormationを用いてデプロイするため、導入する際も驚くほど短時間のうちに作業が完了し、「わずか1 時間足らずでデプロイ作業を済ませることができました」と川崎氏は語る。

またトレンドマイクロの担当者からは製品に関する提案や情報提供のみならず、コンサルティングの観点から総合的な支援が得られたと述べる。

こうして完成したファイル受渡基盤に対して独自の設定を行い、お客様があらかじめ指定されたアップロード用URLにファイルをアップロードすると、Amazon S3にファイルが格納され、C1FSSによってウイルスチェックが施された後に「問題あり」と判定されたファイルは隔離され、それ以外のファイルが別の Amazon S3バケットに格納されて利用可能となる。

導入効果

クラウドネイティブのメリットを損なわないアーキテクチャで新たなサービスを短期間かつ低コストでローンチすることで、ビジネスサイドの要求に迅速に対応できる。今後同社および大和証券のDXを推進していく上でも大きな意義があったと本吉氏は高く評価する。具体的には今回、このシステムのウイルスチェックの仕組みにC1FSSを採用したことで、開発に要するコストやリードタイムを大幅に削減できたと本吉氏は話す。

「従来のウイルスチェック製品を導入するために別途サーバを立てると、サーバの運用設計や環境構築のために1カ月程度はかかります。今回C1FSSの採用によりこれらの作業が一切不要になったため、開発コストの削減とスピード感のある対応を実現できました。」

今後の展望

現在同社では、このファイル受渡基盤を業務システムと連携させる作業を進めている。これが完成次第、大和証券の営業担当者とお客様とのファイルのやりとりにこの仕組みが適用される予定となっている。

「大和総研では、これ以外にも様々なソリューションを取り揃えております。今後もお客様の課題解決に繋がるサービスを提供してまいります。弊社のソリューションを語るうえで、セキュリティは非常に重要な要素です。今後もトレンドマイクロの専門性や先進的な技術には大きな期待を寄せています」と本吉氏は語る。 

  • 製品・サービスの導入効果は、ご利用企業・組織の方の声に基づくものであり、お客さまご利用状況により効果は異なります。
  • 記載内容は2021年12月現在のものです。内容は予告なく変更される場合があります。